L'affaire Théo(テオ事件)
2017年2月2日、パリ郊外、北東部、
オルネー・スー・ボア(Aulnay-sous-Bois)で警察官により暴行を加えられ、
全治2ヶ月の負傷をした22歳のテオの名前から、そう呼ばれている。
事件の社会に対する影響の重要さを考慮して、
フランス大統領 フランソワ・オランドは2月7日にテオの入院先に見舞いに訪れている。
しかし、パリ郊外の暴動はこの後も起こっており、
マルセイユ、ナントなど、他の地域でも抗議デモが行われている。
2005年にも、郊外の若者が警官に追われたために死亡した事件により暴動が起きた。
もともと、パリ市内の住宅不足と都市計画のために
一般住宅を建設したと言われているが、
人気がなく、植民地からの移民を住まわせる政策により低所得者住宅が多く建設された。
若者の失業率が高い場所。特にパリ北東部の事を指す。
パリ(地図中心:1区から20区)とパリ近郊の地図色が濃い場所ほど高所得者が住む。郊外でも南西には富裕層、北東は低所得者層が多いことが分かる。 2015年1月のテロ以来、フランス警察や軍は四六時中、防テロ警備警戒を行っている。
パリと全国各地、主要な場所以外も24時間365日。
軍人や警官がどれだけいても十分ではなく、彼らの疲労も日に日に大きくなる。
昨年は警官による勤務状況改善を求めるデモも行われている。
警察官の疲労と恐怖と不満、郊外の若者達の貧困と不安と不満が
鉢合わせになったとき、なにかしらつじつまを無理矢理合わせようとして、
暴力という形になるのだろうか
フランスが抱える「移民問題」には様々なものが絡み合って、
ほどくことは簡単ではないのです。
パリではどこに住んでいるのかで、ある程度その人の生活レベルが分かってしまう。
あるパリジャンの友人が、パリ市内でも行かない区や、
利用しない地下鉄のラインがあると話していたのを思い出しました。
<追記>
2017年2月18日(土) パリ市内
レプブリック広場での警官のテオ事件と過去の被害者に対する警官の暴力に対する抗議運動
当局によると2300人、開催者によると4000人から5000人が集まった。
この18日の抗議集会では警官と参加者の衝突で2名が負傷
レプブリック広場周辺は警察車両でふさがれ、地下鉄の駅は閉鎖
フランス全土、各都市に抗議運動は広がっています。
郊外のような暴動にはなっていませんが、
パリ市内やフランスで抗議運動などに出くわしたら、なるべくその場を早く去ること。